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インドネシア・ジャワ島旅行記④ 秘境カリムンジャワ、辿り着けず・・・

カリムンジャワ国立公園。

ジャワ島の情報を調べていたときに偶然見つけたビーチリゾート。あまりビーチやリゾート地に興味のない僕は、普段であれば軽く流してしまっただろう。しかし、27の島々で成るカリムンジャワ島は手付かずの自然が残り、サンゴ礁が広がる美しい海にはイルカやウミガメが生息する。しかも”アクセスが悪い”らしい。旅 ≒ 移動な僕にとって、これこそ惹かれる旅行先はない。行ってみるしかない。

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引用:Karimun Jawa | Raja Wisata – Biro Perjalanan Wisata

ジョグジャカルタからスマランへ

カリムンジャワの情報が分かりやすくまとめられているインドネシア中部ジャワ州観光局情報サイトによれば、カリムンジャワへはスマランという町から2時間ほどのジェパラ港から船に乗ればいいらしい。ただ、毎日運行しているわけではないため、旅の日程上、もうひとつの選択肢であるスマランのケンダル港発の船に乗らねばならない。そこで、まずはジョグジャカルタからスマランへ向かうことにした。

ホテルをチェックアウトし、ジョンボールバスターミナルへ向かう。到着すると、ボロブドゥール行きのバスに勧誘するおっちゃんたちがワラワラ寄ってきた。スマランに行きたいと伝えると、急に興味を失くし、ターミナルを教えてくれた。どうやらスマランに行く観光客は少なく、ここで儲ける気もないようだ。

スマランまではエアコン付きバスで45,000ルピア。6時過ぎから17時前までほぼ1時間おきで出ているようだ。バスの乗り心地もよく景色を眺めているとあっという間だ。

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3時間ほどでスマランのTerboyoというバスターミナルに到着する。ただ、ここのバスターミナル、市内からかなり離れている上に、治安もあまり良くないと聞く。ジョグジャカルタからのバスは市内の外れのバスターミナルで停まったあと、高速道路に乗り、市内を通らずにこのバスターミナルに向かう。

市内に向かうのであれば、Terboyoバスターミナルではなく、Banyumanikという別のバスターミナルで降りると良いらしい。後日もう一度、バスでスマランに来ることになるのだが、そこでトランススマランで市内に移動した。その方がずいぶん時間が節約できた。

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Terboyoバスターミナルからも、市内を結ぶバス路線のトランススマランが出ていて市内に行ける。価格は一律3,500ルピア。トランスジョグジャにトランススマランと、インドネシアの市内移動は便利で安くて助かる。Balai Cotaという駅で1度乗り換えをして、予約したホテル近くのSimpang Limaまで行く。

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トランススマランの路線図。途切れているけれど・・

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スマラン発の高速船は・・

ホテルにチェックインし、フロントに翌日のタクシーの手配を依頼する。それと、念のため、高速船の空き情報を確かめるため、運行会社にも電話をしてもらえるようお願いする。

カリムンジャワのホテル情報を調べながら待っていると、フロントのお兄さんが「明日ケンダル港からの高速船はありません」と。

え~~~~!

なんとスマランのケンダル港からは土曜日しか船が出ていなかった。火曜日と木曜日の船は一時的なキャンペーンで、火曜日の船はジェパラ発に変更、木曜日は休船となったらしい。ああ、もっと早く確認しておけばよかったなあ・・今回の旅、3度目の後悔。

 

スマランからジェパラまではバスで3時間、タクシーで1〜2時間ほど。木曜日は偶然ながらジェパラ行きのフェリーは出ている。翌日ジェパラ発の高速船に乗ってもどうにか帰ってこれる。

この時点で取りうる選択肢は3つ。

①翌日、朝一でスマランからジェパラに向かう
②今すぐホテルをチェックアウトして、ジェパラに向かう
③諦める

散々迷って・・①を選択。次に移動手段をどうするか。これもまた3択。

①タクシー:150,000〜200,000ルピア、いつでも
②乗り合いバン:50,000ルピア、朝6時以降
③バイクタクシー:100,000ルピアほど、いつでも

①が確実で、②は船の時間までに到着できない可能性があり、③は最も事故のリスクが高い。どれも一長一短なのだが、懐事情を考えて、結局フロントのお兄さんが紹介してくれた②乗り合いバンで行くことにした。

待てど暮らせど・・ 

翌朝、約束の6時前にはホテルをチェックアウトし、ホテル前で待っていた。

が、待てど暮らせど、一向に約束したバンはやってこない。フロントから運行会社に電話してもつながらない。そうして6時を回り、6時半を過ぎ・・

ついにジェパラまで行けないことを悟った。カリムンジャワどころか、ジェパラにも辿り付けなかった。

自分の情報と準備不足ゆえなのだが、さすがに約束したのに来なかったバンに対する行き所のない怒りと、目的地であるカリムンジャワに辿り付けなかった悔しさが入り混じり、妙に落ち込んでしまった。

カリムンジャワ行きの注意点

カリムンジャワへの渡航を考えている方は、高速船やフェリー会社への運行スケジュールとチケットの残数の事前確認を忘れずに。当たり前のことなのだが、僕の場合は確認が遅くなり、結局たどり着けなかった。

Webサイトではほとんどアクセス情報が掲載されておらず、最新情報でない可能性もあるので、現地で情報収集することが重要。

ツアーで行くこともできるらしく、料金は100,000ルピアくらいから。日程が限られている場合は、ツアーの方が確実かもしれない。

ぜひ行かれた方、最新情報を教えてください。

 

スマランのホテルからは街並みが見渡せた。伝統的な瓦屋根の家が多い。 

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次編に続く・・

できることをやる。

先日、こんな話を聞いた。

ある時、とある神父さんが海岸を歩いていると、大量のクラゲが打ち上げられていることを見つけた。大変だと驚いた神父さんは急いで海に返そうとする。でもあまりの数にひとりではどうしようもできない。どうにか3匹だけ救えた神父さんに、近くを通りかかった町の人が尋ねる。「全部を助けられないのに、なぜその3匹だけ救うんだ」。神父さんは返す。「自分ができることをしたまでだ」。

 

何のひねりもへったくれもない話である。ミャンマー人スタッフが教会かどこかで聞いてきたのだろう。何とも素直なオチだ。

だが、よくよく読み返してみると、おもしろい話にも見えてくる。さて、神父さんが「できること」はクラゲを"3匹"だけ海へ返すことだったのだろうか?

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大量のクラゲと聞いて、小学生2年生の頃、海へ友だち家族と行ったことをふと思い出した。8月も終わりに近づき、山梨からわざわざ訪れた海には大量のクラゲが発生していた。海岸を埋め尽くすかのようなクラゲ、クラゲ。海になんて入れるわけがない。

僕も無邪気な子どもだった。打ち上げられたクラゲを捕まえては投げてみたり、砂に埋めたり、救うどころかクラゲを散々いじめていった。あの数え切れないほどのクラゲの様子はいまでも思い出す。

 

話は逸れたが、神父さんができたことは、ひとりで3匹のクラゲを救うことではなかったはずだ。開発分野でよく聞かされた話がある。川の上から赤ちゃんがどんぶらこどんぶらこと流れてくる。救っても救ってもキリがない。上流に見に行ってみると、赤ちゃんを流している人を見つけた。あんまり具体的に覚えていないが、根治療法の重要性を説いた逸話である。

じゃあ、冒頭のクラゲ救出物語の場合はどうだろうか。やはり同じく対処療法と根治療法があるはずだ。

クラゲを救う対処療法と根治療法

対処療法では、打ち上げられたクラゲをどう救えるかということが視点になる。ここで神父さんがより多くのクラゲを救うためには、まず道具があると良い。網があれば一気にクラゲを移動できるし、バケツがあれば、水をクラゲにかけてちょっとは延命できるかもしれない。

それにひとりでできることは少ない。水族館に連絡をして専門家に助けてもらったり、町の人にボランティアとして手伝ってもらったり、はたまたメディアやSNSで取り上げてもらって関心を高めたりと、よりクラゲを多く救う行動ができるはずだ。

一方で、根治療法はクラゲが打ち上げられないために何ができるかということだ。正直なところ、僕もなぜクラゲが海岸に打ち上げられるか知らないのだが、まず根治療法では原因を探ることから始まる。課題と原因を紐解き、どこを解決すれば最も打ち上げられるクラゲが最も減るかを知り、具体的な対策を行っていく。

根治療法は時に時間がかかるものだ。1回目に打ち上げられたクラゲは救えないかもしれない。でも2回目は打ち上げられるクラゲを減らして、対処療法よりももっと救えるかもしれない。根治療法のアプローチを行いながらも、対処療法を同時に行うことはとても意義がある。

あなたができることは何か 

そう考えてみると、打ち上げられた神父さんはすぐクラゲ救出に取り組むのではなく、まず助けを求めるべきだったと思う。途中で誰か1人合流してくれたら、少なくとも3匹+2匹は救うことができる。さらにその人がバケツや網を持ってきてくれて、クラゲの寿命が2倍になり、1匹あたりの救助時間が半分になれば、1匹+2匹✕2倍✕2倍✕2人=17匹を救えることになる。

さらに救助後、クラゲが打ち上げられた理由を探り、試しにひとつの案を試してみたところ、例えば、打ち上げられる数が10%減ったとする。当初は100匹が打ち上げられていたが、90匹に減った。

対処療法と根治療法の合計数を足してみると、27匹を助けることができ、なんと神父さんがひとりで助けるときよりも、9倍ものクラゲが助かる。

冒頭の逸話は「できることをしなさい」の前に、「あなたができることは何なのかを見つけなさい」というとても根幹的な投げかけを含んでいるのではないだろうか。

課題を社会化する

さらに逸話では、懸命にクラゲを救おうとする神父さんを町の人があんなひとりじゃ救えないよと蔑む。あるいは、もしかしたら、そもそも町の人にはクラゲを救うという行為自体が滑稽だったのかもしれない。

そこで必要なことが「課題の社会化」である。産後の母体ケアに取り組むマドレボニータという団体は、活動開始当初、誰も関心を持っていなかった産後の母体の状況や育児環境に対して疑問を投げかけ、それが社会の解決するべき問題であると示していった。

言わば、クラゲを救うどころか、それが問題と捉えられない人に助けを求めても助けは得られない。そもそもクラゲを救うことへの意義を見出していないからだ。そこでクラゲの存在価値を伝え、保護の意義を示していく。そうすることで、「クラゲの打ち上げ問題は重要だ。みんなで取り組むべきだ」という空気を醸成していくことができる。

つまり冒頭の逸話はもうひとつ別のメッセージを含んでいて、「クラゲを救う意義を考えなさい。そしてそれを社会化しなさい」ということだ。

できることをやる。

私たちはできることからしかできない。しかし、できることをやるという気持ちさえあれば、できることはきっと広がっていく。大きくなくてもいい。小さくできることを始めて、そのできることを広げていくだけだ。

3匹しか救えないなら、何もしなくていいという考えていたらどうだろう?それは単なる思考停止で諦めに過ぎない。こういう考えが広がっていった先には、誰もが誰に対しても無関心で、関係性が失われた社会しか残らないのではないかと思う。

ガンジーは言ったという。

Find purpose, the means will follow.
目的を見つけよ。手段は後からついてくる。

クラゲを救う、この目的さえ見失わなければ、手段はいくらでもついてくる。

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インドネシア・ジャワ島旅行記③ ボロブドゥール遺跡サンライズツアーとジョグジャカルタ観光

ボロブドゥール遺跡サンライズツアー

翌朝は4時に起床。今回の旅の目的のひとつ、ボロブドゥール遺跡のサンライズツアーに参加する。ゲストハウスから専用車でマリハナホテルまで向かう。

ツアーはゲストハウスのフロントで予約ができ、料金は450,000ルピア。400,000ルピアと聞いていたけど、どうやら値上がりしたよう。ちなみにツアーと言っても、ガイドがいるわけではなく、受付後はルートにしたがって各自歩き、各自解散というもの。

受付で懐中電灯を受け取り、ボロブドゥール遺跡の頂上へ登っていく。

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月夜に照らされる姿も味がある。

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5時半には頂上で日の出を待つ。思いの外、参加者が多く、良い場所から埋まっていってしまう。なかなかいい値段がするからか外国人ばかり。

頂上からはインドネシアでも最も活動的な火山と言われるムラピ山が一望できる。噴煙がぼんやり見え、幻想的な雰囲気だ。

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徐々に夜も明け、ついに日の出。

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日の出後はゆっくりモチーフを見て回ったが、金銭的に余裕があればガイドをつけた方が良いように思う。ガイドも予備知識もなしだったから、モチーフの意味や背景などはわからなかった。

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全体を見終わった頃にはすっかり日も昇り、一般の観光客が増えてきた。

ボロブドゥール遺跡は1時間あれば十分に見て回れるこじんまりとした遺跡だった。正直なところ、サンライズツアーに参加しなければ、この遺跡の印象は薄いかもしれない。少し割高だが、奮発してサンライズツアーに参加し、できればガイドの説明を受けながら、レリーフや歴史を味合うのが良いように思う。

ボロブドゥールからジョグジャカルタ

ゲストハウスをチェックアウト後、ジョグジャカルタへ向かい、市内の観光地を巡ることにした。インドネシアのゲストハウスやホテルはタイなどに比べて割高な印象だが、チェックアウトが12時までというところが多く、朝観光してからチェックアウトができるところがありがたい。

ボロブドゥールのバスターミナルに行くと、まさにジョンボール行きのバスが出発するところ。念願かなって(?)、昨日乗り遅れたローカルバスに乗ることができた。料金は25,000ルピア。

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今回の旅行で立ち寄ったジョグジャカルタジョグジャカルタなどでは、9時頃から渋滞が起こり始め、夕方までひどい渋滞が続いていた。午前中早めの時間に移動すれば、あまりストレスを溜めないでスムーズに移動できると思う。

ジョグジャカルタ市

1時間ほどでジョンボールバスターミナルに到着。トランス・ジョグジャでクラトン(王宮)まで向かう。

王宮の右手に入場ゲートがあり、チケットを購入できる。料金はカメラ持ち込み料を含めて数千ルピアだったが、正確な金額を忘れてしまった。

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正直なところ、見どころはあまりなく、僕が行ったときには無給のボランティアとして王宮を守るスルタン家臣の子孫たちもいなかった。

王宮内に入ってすぐに人形が所狭しと並べてあるのだが、それぞれの説明もなく、誰が誰なのかさえよく分からなかった。ただ、位の高い女性を腕だけで支えている男たちの像を見つけ、思わず撮ってしまった。めっちゃしんどそうだが、お尻はさわり放題。

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その後、王宮から歩いてすぐのブリンハルジョ市場へ向かう。

ほとんど観光客はおらず、インドネシア国内からの観光客や住民で賑わっていた。衣類や食品が主で、特にめぼしいものは見つけられなかった。

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ブリンハルジョ市場が位置するマリオボロ通りはジョグジャカルタで最も賑わう街だ。お土産屋さんから飲食店、屋台が並ぶ。ここの良いところは良心的な価格だ。高めの金額がふっかけられても、そもそもその金額が許せる範囲であったり、あまり苦もなく値引き交渉ができる。

僕はここでTシャツを2枚買った。価格は50,000ルピアと80,000ルピア。ルピアは単位が大きく散財した気持ちにいつもなるが、日本円に換算すると400円と640円ほど。質も悪くない。

フルーツジュース屋さん。10,000ルピアしないくらいで飲める。

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また路上では至るところでライブパフォーマンスも行われていた。たまたま見つけたAngklung Malioboroというグループがとても格好良かった。竹を何重にも重ねて作られている楽器の音色がとても綺麗だったのだが、何という楽器だろう?

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馬車も至るところにある。観光客向けの乗り物なのだろうか?

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気付けば日も落ち、マリオボロ通りも昼間と違った顔を見せる。

お洒落なバーや飲み屋さんがいかにもありそうな雰囲気だが、なんたってここはインドネシア。お酒を飲める場所は本当に限られている。この日、ビンタンビールというインドネシアのビールに辿り付けたが、大瓶で50,000ルピアほど。高い高い。

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一歩裏路地に入れば、ガラッと落ち着いた雰囲気に変わる。ゲストハウスも多く見かけたので、宿はジョグジャカルタに来て見つけるでも良いかもしれない。

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ちなみに夕食を食べたお店はこちら。僕が行った時には15分ほど並んだが、雰囲気も料理の味も良くおすすめ。

次編に続く・・・。

インドネシア・ジャワ島旅行記② ジョグジャカルタ・プランバナン寺院群を見る

旅って人それぞれ色々な楽しみ方がある。リゾート地でゆっくりとした時間を過ごす人もいれば、買い物や食を楽しむ人、安宿を渡り歩く人。

僕にとって旅の醍醐味は新しい土地に行くことだ。バスや電車を乗り継いでまだ見たことのない町に行く。単に移動が好きということもあるけれど、見知らぬ地でその雰囲気を肌で感じ、ローカルな料理を食べ、すれ違う人と一言二言交わしていく・・。そう漂流するような旅が好きだ。

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ジャカルタからジョグジャカルタ

今回の目的のひとつ、ボロブドゥール遺跡を観に行くため、ジャカルタからジャワ島中部に位置するジョグジャカルタへ向かう。ボロブドゥール遺跡は世界最大級の仏教遺跡であり、カンボジアアンコールワットミャンマーバガンと並んで、世界三大仏教遺跡と言われている世界遺産だ。ジョグジャカルタから車で1時間ほどのところにある。

ジャカルタからジョグジャカルタへはバスや鉄道といった選択肢があるが、時間の節約のため、飛行機で向かう。インドネシアで人気のLion Airを試してみたかったが、安いフライトすでに売り切れていた。再びAirAsiaを利用。

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ちなみにバンコクからはジャカルタで入国せずに、トランスファーができたんだけど、チケットが割高だったことと、前日の移動が長かったため、しっかり休みを取れるようホテルに宿泊したかったことから翌日の便を別々に予約した。社会人旅行ならでは、疲れて帰っては仕事に支障が出てしまうので、どうしても体力を温存することに気を使ってしまう。

ジャカルタからジョグジャカルタまでは1時間ちょっとで到着する。着陸直前に眼下に広がった、噴煙を上げるマウピ山とその麓に広がる街並みはとても美しかった。(離発着時には電子機器が使えず撮影できなかった泣)

 

プランバナン寺院群

ジョグジャカルタ近郊にはボロブドゥール遺跡のほかに、プランバナン寺院群というもうひとつの世界遺産がある。ジョグジャカルタの空港から近く、市内からもアクセスが良いため、ボロブドゥールへ行く前に立ち寄ることにした。 

途中渋滞にあったり、タクシーの運ちゃんに変な場所に連れて行かれたりしたが、空港からは30分かからずプランバナン寺院群に着いた。料金は50,000ルピア。 

外国人専用ゲートでチケットを購入する。チケット料金は18ドルをその日の両替レートで換算したもの。僕が行った日は大人が234,000ルピア、子どもと学生が117,000ルピアだった。正直なところ、外国人料金は現地人に比べて極端に高いし、遺跡の規模からしても割高な印象を覚えてしまう。

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ゲートをパスして、入場するとすぐプランバナン寺院が見えてくる。プランバナン寺院群は240の仏教ヒンドゥー教寺院からなるが、プランバナン寺院はその中でも中心的な存在。

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小さな博物館も園内にあり、修復の様子が見られる。

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広い公園内を回るために自転車をレンタルした。自転車コースが定められていて、園内のひと通り遺跡が見られるようになっている。料金は10,000ルピア、所要時間は20分ほど。

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こちらはセウ寺院。園内の外れに位置するため、ほとんど人がおらず、ゆっくりと鑑賞することができる。

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プランバナン寺院群は少し地味な印象ではあるが、建物の造形は美しく、レリーフをひとつずつ見ていけるほど飽きずに楽しめる。ボロブドゥール遺跡とセットでの訪問がおすすめ。

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プランバナン寺院群からボロブドゥールへ

翌日ボロブドゥール遺跡のサンライズツアーに参加するべく、ボロブドゥール町内でゲストハウスを予約していたため、プランバナン寺院群から一路、ボロブドゥール遺跡のあるボロブドゥールへ向かう。

プランバナン寺院群から市内には、近くのトランスジョグジャの乗り場から、A1のバスに乗れば、市内まで乗り換えなしで行くことができる。料金は3,500ルピア。市内からボロブドゥールへは、ジョンボールバスターミナルか、ギワンガンバスターミナルかどちらかのバスターミナルからローカルバスに乗る。

僕はバスを試してみたかったので、ボロブドゥールへ近いジョンボールバスターミナルまでトランスジョグジャで行き、ローカルバスを乗ることにした。トランスジョグジャのバスは綺麗で乗り心地が良い。

ただ、この時の僕はこのあとの長い長い道のりを知る由もなかった・・。

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結論から言えば、僕は市内から出発するボロブドゥールへのローカルバスの最終便に乗り遅れた。4時10分頃、まだジョンボールバスターミナルに辿りつけていない僕は、たまたまをこの記事を読んで、最終便が4時であることを知った。

そもそもなぜバスターミナルに4時までに辿り着けなかったかと言えば、いくつもの要因が重なり合ってそうなったとしか言えない。

ひとつは空港周辺の道路で工事をしていてひどい渋滞が発生していた。渋滞でも構わずインドネシアのマナーの悪いドライバーたちは割り込み、バスは急ブレーキを繰り返したのだ。ついにその揺れに耐えきれなくなった隣の少年がゲロをバス内にぶちまけた。

車内に充満する強烈な臭いと、渋滞でなかなか進まないバス。旅先でもらいゲロは絶対に避けたい。耐えきれなくなった僕はバスから、気持ち悪さを解消するために近くのバス停まで歩くことにした。不思議なことに気持ち悪さの次に空腹がやってきた。遅めの昼食を済ませ、やっとこ着いたバス停で乗り換えのバスを待つものの、待てど暮らせどバスはやってこない。そうして、最終バスの時間が過ぎた。 

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それでもめげずにボルブドゥールへ行く手段を探していると、ギワンガンバスターミナルであれば、5時までバスがあるという情報を見つける。ジョグジャカルタの町を挟んで、ジョンボールバスターミナルの対角線に位置するギワンガンバスターミナル。わずかな望みにかけて、バイクタクシーを捕まえ急かして向かう。

4時45分、ギワンガンバスターミナルに無事に到着。近くのおっちゃんに聞いてみると、最終バスは5時らしい。間に合ったことの喜びとともにダッシュで発車所まで向かう。

が・・・バスがない。結局、4時が最終だった。

気付けば、時間的にも金銭的にも一番ロスが大きい選択をしてしまった。ここからボロブドゥールへは、バイクタクシーで来た道を戻り、ジョンボールバスターミナル近くを通り、向かうことになる。案の定、町はずれのバスターミナルにはタクシーもほとんどおらず、こんな時間にボロブドゥールなんて行きたくないというオーラぷんぷんのタクシーを交渉し、お値段は250,000IDR。高すぎる・・。

 

どこかひとつでも違う選択をしていればきっと間に合っただろう。

個人的にはゲロった少年に八つ当たりしたいところだが、涙を流しながら苦しそうな表情をしていた彼を攻める気にもなれず、何とも言えない悔しさが残る。

この旅で2回目の失敗による痛い出費。

 

そんなわけで、クーラーががんがん効いた車を独り占めし、美しい夕陽を見ながらボロブドゥールに向かう。到着したころにはもう外は真っ暗だった。

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ちなみにボロブドゥールで宿泊したこのホテルはおすすめ。遺跡にも徒歩5分ほどと近く、部屋も清潔でレストランの食事も美味しかった。

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次に続く・・

インドネシア・ジャワ島旅行記① ミャンマーのパアンからタイ経由でインドネシアへ

ミャンマーでは4月13日から17日が水祭りと新年にあたり、2週間ほど祝日だ。その休暇に合わせて、4月14日から22日までインドネシアのジャワ島を旅してきた。社会人ならではの駆け足の旅。

インドネシアと聞くと、どんなイメージがあるだろうか?正直なところ、僕の中ではスマトラ沖大地震やバリ島のリゾートのイメージが強く、その他の知識はほとんどない。大して気になっていた国というわけではなかったのだけど、ミャンマーから比較的安く行ける場所と考えると有力候補に挙がってきた。

実際のところ、インドネシアの魅力は僕の期待をはるかに上まわり、文化・歴史・食事いずれも素晴らしく、すっかり魅了されてしまった。この国を知るには7日間では全然足りず、あと1ヶ月は見て回りたい、また戻ってきたいと何度も思ってしまう。

 

さて、今回の旅の目的は世界遺産であるボロブドゥール遺跡を見ることと、秘境のビーチと言われるカリムンジャワ島に行くことのふたつだ。ボロブドゥール遺跡はご存知のとおり世界三大仏教遺跡のひとつであり、その美しいサンライズレリーフが知られている。一方、カリムンジャワ島は認知度も低く、たまたまネットで見つけたのだが、珊瑚礁に囲まれ、イルカやウミガメが見られる美しい海らしい。

いま住んでいるミャンマーのパアンを起点に、インドネシアのジャワ島を旅した記録を書いていこうと思う。

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パアンからの脱出

いま僕が住むミャンマーのパアンには空港がない。一応あるはあるのだが、偉い僧侶が反対したとかで、実際は使われていない。そのため、パアンから海外へ行くルートはかなり限られている。

ひとつはヤンゴンまでバスで行ってヤンゴン空港から飛行機に乗る方法。もうひとつは陸路でタイ側に抜け、そのからバスや飛行機で移動する方法だ。しかし、タイに行くならまだしも、さらに別の国へ行くと考えると、ヤンゴン空港だと飛行機が限られる。ならばタイ経由で出国してみようと今回は試してみた。

ミャンマーのパアンからタイのバンコクまでの移動ルートはこちら。

ミャンマー・パアンから国境の町ミャワディーまで行き、陸路でタイのメーソートに渡った後、バンコクへの飛行機に乗る。さらに最初の目的地であるジョグジャカルタまではバンコクからジャカルタへ、ジャカルタからジョグジャカルタへフライトを乗り継いで行かねばならない。

出発前のすったもんだ

移動が多くなればなるほど、滞在期間が長くなればなるほど、トラブルはそれ比例して増えるものだ。そういうトラブルも含めて、旅のおもしろさなのだが、まさかパアンから出発するだけでもつまづくとは思ってもみなかった。

パアンからタイ国境の街・ミャワディーまで行くには、乗り合いタクシーが数も多く便利だ。パアンのダウンタウンから頻繁に出ていて、特に予約なしでも乗れる。

ただ、今回は出発日が水祭り期間にあたったため、バスやタクシーなどの交通機関が限られてしまい、移動がとにかく大変になってしまう。そこで事前にチケットを購入することにした。

2週間前から何度かバスや乗り合いタクシーのチケットを扱うお店に訪問し、出発日の乗り合いタクシーを予約しようと試みるも、どうやら水祭り期間でも乗り合いタクシーはあるらしいが、チケットは出発前日でないと購入できないと言われてしまう。

 

そこで出発前日、話を付けておいたお店にチケットを買いに行く。

ところが・・お店が閉まってる!今日来いって言ってたこないだのオヤジいない!なんてこった・・素直に信じた自分がバカだった・・。

メーソートからの飛行機に乗り遅れればインドネシアまでい行けなくなってしまう。乗り合いタクシーの乗り場に行ってみると、車を貸し切るしかないという。料金は90,000チャット。何人かで乗り合わせるならまだしも、ひとりで3時間の道のりにしては高すぎる。

結局、いつもお世話になっている近所のおばちゃんが車探しに奔走してくれて、50,000チャットで借りられることに。いつもであれば10,000チャット前後のところを通常の5倍。なかなか痛い金額になってしまった。

まあ、そんなわけでミャワディーの水祭り期間の移動や旅行はおすすめしない。 

パアンからミャワディーへ

出発当日、朝早くから水祭りの騒ぎが始まると聞いたので、渋滞を避けるために朝5時に出発。家の外に出てみると、もうドライバーが待っていた。頼りになる。

まだ暗い中、人も車もほとんどおらず、ぐんぐん飛ばしていく。パアンから途中のコーカレーに架かる橋。

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アジアンハイウェイに合流すれば、ミャワディーまであっという間だ。アジアンハイウェイはタイ側が担当する分はすでに建設が終わっており、その質は日本並みに高く、ミャンマーの道路との差は一目瞭然。

結局、2時間ちょっとでパアンからミャワディーに到着した。イミグレ事務所も空いていて、8時前にはタイのメーソートに入国できた。タイとの国境線であるモエイ川では泳いでる人がいる。病気とかにならないのかな・・。

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メーソートからバンコク

メーソートからバンコクドンムアン空港へ向かうべく、タイ側のイミグレを出たすぐのところから、バイクタクシーに乗る。メーソート空港まで3キロ弱、10分ほどであっという間に着いてしまう。料金は言い値で60バーツ。

メーソート空港はザ・田舎の空港。それもそのはず、Nok Airバンコク行きの4便しか飛んでいなかった。現在、拡張工事を行っているらしく、それが終われば近代的な空港になるかもしれない。

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メーソートからドンムアン空港までは約1時間のフライト。プロモーション価格であれば30ドルかからない金額で乗れてしまう。バスもあるようだが、時間と金額を考えると時間のない社会人旅行者にはおすすめだ。(そもそもバンコクからメーソートへ直に来る必要がある人はいるとは思えなんだけど、タイは飛ばしてミャンマーへ陸路で入りたい人にとってはありかもしれない。)

案外厳しいセキュリティチェックをパスして、飛行機に搭乗する。LCCながら、機内ではおつまみと小さなペットボトルの水が配られた。

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そして、定刻どおりにバンコクドンムアン空港に到着。ここからジャカルタまではいくつかの航空会社が運行しているが、最安値だったAirAsiaを選択。往復で300ドルほど。

こちらの地図を参考にしながら、混み合うチェックインカウンターを通り過ぎ、セルフチェックイン機で並ぶことなくチェックイン完了。預け荷物がなければ本当におすすめ。このセルフチェックイン機がターミナルの外にあるため、見つけにくいので要注意。

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チェックイン後、小腹が空いたのでターミナル1とターミナル2の間にあるMagic Gardenで腹ごしらえ。事前にお金をデポジットして、好きなものを注文する。デポジットカードを返却すると、残金は返金して貰える仕組み。ローカルフードは100バーツしない手頃な価格で食べられた。

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バンコクからジャカルタ

ドンムアン空港のイミグレを抜け、飛行機に搭乗する。定刻どおりの離陸し、4時間ほどでジャカルタスカルノハッタ空港に到着した。AirAsia利用ということで遅延を覚悟していたが、帰りの便も定刻どおりの離発着で運が良かった。

 

そうそう、このスカルノハッタ空港、良い評判をまったくと言ってもいいほど聞かない。怪しい客引きや誤魔化しが横行する両替所、窃盗などなど・・。

そんな事前情報にびくびくしながら、出国ゲートを出てみると・・薄暗く閑散としている。21時着で遅かったためか、客引きもおらず、誰にも声をかけられなかった。これはこれでちょっと寂しい。

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ゲートすぐの両替所で両替。特に誤魔化しもなく、正しい金額を受け取った。もちろん一緒にカウントしたあとで、嫌がれようともしっかり自分でも数える。向こうも人間なので悪意がなくとも間違えることもあるしね。

ちなみにレートは1ドル=13,150ルピアだった。空港のレートはかなり悪いと聞いていたが、後日ジョグジャカルタとスラマンでそれぞれレートが良いという両替所で両替したが、レートは13,200ルピアと13,175ルピアで、それほど大きな差はなかった。ジャカルタ市内のレートは分からないが、大きな金額を両替しないのであれば、手間を考えると、空港で全額を両替しちゃうのもありなんじゃないかと思う。

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両替後、TELCOMSELのSIMカードを購入。SIM自体は60,000ルピア、インターネット2GBが120,000ルピアで計180,000ルピア。旅行期間中、どこでも通じて、4Gはサクサクで快適だった。情報収集しながら旅ができるのでおすすめ。

そして、タクシーに乗って空港近くのホテルへ。明日はジャカルタから最初の目的地のジョグジャカルタへ向かう。長い長い移動の一日だった。

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次編へ続く・・。