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第9話:運動とは事務なり

こんばんは。

運動とは事務なり。

NPOに関わる人なら、一度は耳にしたことがあるはずだ。女性参政権獲得運動をはじめ、戦前から戦後にかけて、第一線で市民運動を進められた市川房江さんの言葉である。一見華やかな事業も、それを支えるのは事務である。事務こそ、市民活動そのものである。

社会起業家、ソーシャルビジネス、ソーシャルベンチャーなどの言葉が流行るなか、”革新的なアイデアイノベーションを起こす”というイメージと相反するかもしれない。しかし、書籍やセミナーで聞く華々しい成功談は、実際のNPO社会起業家のとても綺麗な上澄みをすくって見せたものである。

社会起業家を支える事務方

デービッド・ボーンスタインの『世界を変える人たち―社会起業家たちの勇気とアイデアの力 』では、アショカ財団が支援をするフェローをはじめとした、世界的な社会起業家が紹介されている。

本書においても、社会起業家が名声を得ていく以前には、何十年も地道な試行錯誤の積み重ねがあるという。そして、そうした著名な社会起業家の背景には、名前も知られない、粛々と活動を支えてきた多くの人々がいるのだ。

NPO法人事務力検定を受けてきた

今日はNPO法人事務力検定を受けてきた。この検定は岡山NPOセンターが主宰するもので、経理、登記、労務、所轄庁手続きと多岐にわたるNPO 法人に必要な事務手続きについて、その理解度を問うもの。

NPO法人事務力検定 | 岡山NPOセンター

それぞれの基礎知識をおさらいする2時間の講義のあと、1時間の検定を受講。NPO法人の定義から理事会の役割、総会運営、法人設立申請、登記、経理、雇用保険など、NPOならではの手続きから法人運営の基礎知識まで45問が出された。

正式な結果はまだだが、32点が合格ラインらしい。おそらく40点。労務に関する理解が浅くて、思った以上に間違えてしまった。満点を取れると思っていた分、結構ヘコむ。

 

・・・話が逸れてしまったが、こうした事務を担う事務方が陽の目を見ることはほとんどない。しかし、事務力は適切な法人運営だけではなく、ファンドレイジングやマーケティングにおいても必要不可欠である。事務はNPOの活動を支える足腰であり、上半身と下半身の動きが噛み合わさったとき、最も速く長く走られるのである。

NPOで働きたいならば事務力をつけよう

誰もが思いつかなかったアイデアイノベーションを起こす!という意気込みは素晴らしいけれど、アイデアというものはブリコラージュ的に生まれるものである。無力を痛感するどうしようもない目の前の現実に対して、どうにかありったけの持てる力で解決策を長年考え続けた結果、生まれるというよりは、出来上がっていくのである。

よっぽど大組織でない限り、時にいちから起業したいのであれば、事務力は絶対に必要である。しかし、現在のNPOで圧倒的に足りないのも事務力である。

だから、これからNPO社会的企業に携わりたいのであれば、法務・労務・経理など多岐にわたる知識と実務経験を積むことを勧める。良い組織には、二番手に優れた事務方がいるものだ。代表だって、当然これらの知識がなければ、財務も人事も理解できないであろう。

 

運動とは事務なり。

どんな優れたアイデアNPOも、それを実現するのは事務力である。