7days

デング熱、その後。

先日、ミャンマーデング熱にかかった。

7月7日に発熱、17日には無事に血小板の値も正常値に回復したのだが、その後の体調不良が想像以上にしんどかった。まったくすっきり良くならないのだ。結局、3週間ほど不調は続いた。その備忘録。

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そもそもデング熱は後遺症がないと言われている。しかし、人によっては一度回復しても、発熱したり、髪の毛が抜けたりなどの後遺症とも言えるような症状が出るらしい。病院の看護師には1週間ほど療養するよう伝えられたが、人によっては1〜2週間、長くて1ヶ月間、すっきりと快復しないこともあるようだ。

僕の場合は、病院を退院してからも身体のだるさが続き、頭痛やリンパの腫れ、皮膚のかゆみなどの症状が出た。医師いわく、いずれもデング熱によるものか100%は分からないようだが、可能性は高いようだ。

7月19日(木)

パアンに戻って来てから数日は軽い食欲不振が続き、揚げものや肉などを食べたいとまったく思えなかった。消化の良いものや野菜を食べる。

加えて身体がだるく、少し動くだけでもすぐ疲れてしまう。いかに体力が減ったか自分でも驚いてしまう。

7月21日(金)

ミャンマーでデング熱にかかったでも書いたように、朝方に急に微熱が出て、急に右耳下の付根のリンパが腫れきた。痛くてたまらない。初めは単なる寝違えだと思ったが、どうやら右耳下から肩にかけてのリンパ管も炎症を起こしているらしく、首を少し動かせば激痛。

パラセタモールを飲み、アイスノンでリンパを冷やしながらとにかく休む。熱が下がってくると、リンパの痛みも少し引いてきた。

7月22日(土)

相変わらずリンパは腫れている。そして完治したと思っていた全身のかゆみが再び襲ってきた。乾燥肌がひどくなったような感じのちくちくとしたかゆみがひどい。昨晩から足と腕が特に痒くて眠れないのなんのって。

我慢できずにかいてしまうと、前回の斑点とは違う、赤い点々が出てくる。午後・夜になるにつれ、かゆみがひどくなる。

7月23日(日)

かゆみがひどくてまったく眠れなかった。かゆいかゆいかゆい!発狂寸前。

病院から処方されたかゆみ止めがもうないため、近所の薬局で同じ薬を探しに行った。残念ながらタイの病院で処方されたものはなかったけど、同じ抗ヒスタミン薬をふたつ見つけて、両方試しに買ってきた。

ひとつはレボセチリジンのLevocet、もうひとつはデスロラタジンのDevit。調べてみると、レボセチリジンの方が効果が強そうなので、前者を飲んでみる。が、全然効かない。プラシーボ効果かわずかにかゆみが引いたような気がするが、かゆいかゆいかゆい。

かゆみがひどくて何にも集中できない。なんたって眠れないのがしんどい。 

7月24日(月)

まったくかゆみが治まらないため、薬局にいた看護師の言葉にしたがって、朝もう一錠飲んでみる。が、身体がだるいし、恐ろしく頭が痛くなる。最大摂取量内ではあるが、おそらく副作用のせいだろう。

午後、体調不良で少し仕事を休む。パラセタモールを飲み少し横になったら、頭痛が収まり仕事に戻る。しかし、身体は相変わらず重く、疲れっぽい。

夜になるにつれ、またかゆみもひどくなる。どうやらレボセチリジンとデスロラタジンは望ましくはないが、併用しても問題なさそうなので、デスロラタジンを服用する。何となくかゆみが少し治まったような気がする…。 

7月25日(火)

朝起きると、かゆみが少し引いていた。抗ヒスタミン薬のおかげか、単純にかゆみが減ったのか、よく分からない。

相変わらず右耳下のリンパが腫れている。少し痛みが治まってきたものの、右耳下のリンパも痛みがある。何かしらのウイルスと戦っている証拠だろうが、いまだにデング熱のウイルスが身体にいるんだろうか。

7月26日(水)

ヤンゴンへ出張があったので、ついでに病院を受診する。運悪く初見の若い医師にあたってしまう。

診察後の一言目は「ガンではないですね」。

そっから疑っていたんかーーーい!いや、ガンでないことは嬉しいけど、先週までデング熱で、それに関連することは疑わないのかなあと。

次に一言。マラリアなどのウイルス感染の疑いがあります。でも先生、9日に検査してから感染地には行っていないし、熱や頭痛などの症状もないから可能性は低いんじゃないんでしょうか。思わず伝えてしまったら、そうですねと。

皮膚のかゆみに関してはハウスダストや花粉などの環境因子によるものだって。確かにアレルギー性鼻炎で、ほこりも花粉もダメだけど、こんな全身のかゆみに襲われたことは初めてだし、新しい家に引っ越したということもない。再び思わず伝えてしまう。すると、まれにデング熱後に皮膚のかゆみができることがあるんだって。いやいや、そっちを先に疑ってほしかった。

専門的知識がない素人があんまりでしゃばるべきではないのは自覚しつつ、現在の体調不良はデング熱に関連したものじゃないかな…。血液検査では特に別のウイルスは検出されなかったし。

まあ、ともかく新しい病気でもなく、血液の異常も見つからずひと安心。血小板は350,000まで快復していた。

ちなみに、あとあと調べてみると、皮膚のかゆみやリンパの腫れは悪性リンパ腫の症状にも当てはまっていて、だからこそガンの可能性を疑ったのかもしれないと思った。

7月27日(木)

昨日の病院ではセチリジン塩酸塩錠のCetrineを処方してもらったものの、皮膚のかゆみ自体が少し治まってきた。リンパの腫れは相変わらず引かない。

食欲はデング熱前よりあるような気がする。お腹がすぐ減ってしまう。揚げものでも何でも食欲が起きるようになってきた。

7月29日(土) 

ミャンマーではH1N1型のインフルエンザが流行して大騒ぎ。一度は新型ウイルスと言われたH1N1型はすでに季節性のインフルエンザと見なされているし、そこまで騒ぎ立てるのは良くないんじゃないかと思ってしまう。

豚肉や鶏肉を避けろなんて話もあるが、インフルエンザが豚肉から感染することはないと2009年にWHOが声明を出している。

それよりもデング熱マラリアの方が怖いよ。

リンパの腫れは引かないが、皮膚のかゆみはほとんどなくなった。ぐっすり眠れる幸せよ。

7月30日(日)

左側のリンパ管に激痛。再び首を動かせなくなる。ようやく回復してきたと思ったのに、身体がだるい。一日ゆっくり休む。

8月1日(火)

ようやく身体のだるさもリンパの痛みも引く。退院してから約2週間続いた不調から、何となく脱せたような気がする。

長い長い戦い

この記事を書いている8月7日、右耳下のリンパに腫れは残るものの、どうやら完全に快復できたようだ。発症してから丸1ヶ月、長い長い戦いだった。

デング熱は不思議な病気だ。

急に熱が出て苦しめられると思えば、急に楽になったり、もっとしんどくなったり。快復したかなと思えば、身体のだるさや不調に見舞われたり。

僕の場合はインフルエンザよりずっと辛かった。特効薬があるわけでもなく、ワクチンも研究段階(昨年から一部の国で摂取できるようになった)、タミフルを飲んでしまえば、あっという間に解熱するインフルと違って、ひたすら戦わなくてはならない。 

もう二度と罹りたくないと、改めて思ったのでした。

 

食べられる幸せ!

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